避妊法は主に10種類あり、それぞれの特徴を理解することが大切です。
間違った避妊法を行えば、正しく避妊できず妊娠してしまう可能性があります。
そのため、正しい避妊の知識を知ることで、安心・安全にセックスを楽しむことが出来ます。
また、パートナーとの関係を悪くしないためにも、妊娠を希望しない場合は必ず避妊することは重要です。
本記事では、避妊法の種類について徹底解説していきます。
避妊法ごとの特徴・メリット・デメリットを紹介しているので、自信に合った避妊法を選択しましょう。
- 避妊法の種類
- 避妊法の選び方
目次
避妊法の種類とは?詳細やメリット・デメリットを解説
避妊する方法は、非常にたくさんの種類があります。
それぞれの避妊法には、性行為時の利用方法や効果、副作用などの違いがあります。
また、メリットとデメリットも異なるため、それぞれについて知っておくことが大切です。
そして、適切な避妊法を選ぶことで、妊娠や性感染症を防ぐことが出来ます。
避妊法の主な種類は、以下の通りです。
- コンドーム
- IUD(子宮内避妊具)
- ミレーナ
- 低用量ピル
- 緊急避妊薬
- 不妊手術
- 殺精子剤
- ペッサリー
- 膣外射精
- 基礎体温法
上記の避妊法について、それぞれ詳しく解説していきます。
避妊法 | 説明 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンドーム | ペニスに装着する避妊具 | ・安くて避妊率が高い ・性感染症の予防に役立つ | ・破れることがある ・途中で外れることがある |
IUD(子宮内避妊具) | 医師によって子宮内に装着される避妊具 | ・効果が長い ・取り外し可能 | ・生理痛や月経量の増加 ・子宮感染のリスク |
ミレーナ | 子宮内膜の状態を変化させ、受精卵の着床を阻止する | ・効果が長い ・月経痛の軽減 ・月経量の減少 | ・初期の出血や不規則な月経がある |
低用量ピル | 排卵抑制と子宮内膜の変化により、受精卵が着床しにくくする | ・妊娠率が非常に低い ・月経困難症の症状軽減 ・生理周期のコントロールが容易 | ・副作用(吐き気や頭痛など) ・性行為の度に使用する必要がないが、毎日服用が必要 ・病気による感染予防ができない |
緊急避妊薬 | 性行為後に緊急対応として用いられる避妊法 | ・避妊失敗時の効果的なバックアップ手段になる | ・使用できる期間が限定されている |
不妊手術 | 生殖能力を持った状態で妊娠しないようにする方法 | ・高い避妊効果 ・一度の手術で永久的な避妊が可能 | ・手術に伴うリスク(感染や出血など) ・不妊手術の解除が困難 |
殺精子剤 | 精子の活動を阻止し、受精を困難にする避妊法 | ・使い方簡単 ・コンドーム使用時の避妊効果向上 | ・単独使用時の避妊効果が低い ・アレルギーやかぶれのリスク |
ペッサリー | 精子が子宮に侵入するのを阻止することが出来 | ・副作用が少ない ・コストが低い ・医師の処方箋が不要 ・繰り返し使用可能 | ・装着が困難 ・性感染症の予防効果がない |
膣外射精 | 男性が射精する際に膣内ではなく、膣外に精子を放出すること | ・特別な器具や薬が不要 ・男性がコントロールできる | ・避妊効果が不安定 ・射精のタイミングを誤ると失敗する可能性が高い ・性感染症のリスクがある |
基礎体温法 | 女性の体温の変化を利用した避妊法 | ・薬や器具を使わない ・副作用のリスクがない ・体調管理に役立つ | ・毎日体温を測定する必要がある ・効果が不確か ・周期が不安定な場合は適応できない |
コンドーム
コンドームとは、男性器(ペニス)に装着する避妊具です。
性行為(セックス)時に精子が子宮に侵入するのを物理的に防ぐことで、避妊効果が得られます。
また、性感染症の予防にも役立ちます。
- 手軽に使用できる
- 価格が安い
- 性感染症の予防に効果的
- セックスの前に装着する必要がある
- 使用時の違和感
- 破れることがある
- 外れることがある
正しい使用方法で使用することで、高い避妊効果があります。
IUD(子宮内避妊具)
IUD(子宮内避妊具)とは、医師によって子宮内に装着される避妊法です。
子宮内にあるIUDが子宮内膜の状態を変化させ、受精卵の着床を阻止することで避妊効果があります。
- 効果が長時間持続する
- 避妊に意識を持つ必要がない
- 取り外しできる
- 生理痛や月経量の増加
- 子宮感染のリスク
IUDは、取り外すことでまた妊娠することが出来ます。
そのため、必要に応じてまた妊活を再開することができるのは大きなメリットです。
ミレーナ
ミレーナとは、IUDの一種で、「Hormonal IUD」と呼ばれています。
子宮内に装着されると、プロゲスティンというホルモンが放出され、子宮内膜の状態を変化させ、受精卵の着床を阻止します。
- 効果が長期間持続する
- 月経痛の軽減
- 月経量の減少
- セックスの邪魔にならない
- 初期の出血
- 不規則な月経がある
- 装着や取り外しに医師の診療が必要
- 感染症や子宮穿孔のリスクがある
IUDとは違い、デメリットが多く見られます。
しかし、月経に関するメリットも多く見られるため、IUDと適切な使い分けが大切です。
低用量ピル
低用量ピルとは、主に女性が用いる避妊法であり、ホルモン剤を経口で摂取することで妊娠を防ぐものです。
主な作用は、排卵抑制と子宮内膜の変化により、受精卵が着床しにくくすることです。
- 妊娠率が非常に低い
- 月経困難症の症状軽減
- 生理周期のコントロールが容易
- 副作用(吐き気や頭痛など)
- 性行為の度に使用する必要がないが、毎日服用が必要
- 病気による感染予防ができない
以上の点を考慮して、ピルを選択するかどうか判断することが重要です。
また、低用量ピルを正しく服用することが効果を発揮するために必要です。
緊急避妊薬
緊急避妊薬とは、性行為後に緊急対応として用いられる避妊法で、避妊失敗やコンドーム破損などの際に使用されます。
主に排卵抑制や受精卵の着床阻止が働きます。
- 避妊失敗時の効果的なバックアップ手段である
- 使用できる期間が限定されている
- 副作用のリスクがある
緊急避妊薬は、通常の避妊手段の代わりではなく、あくまで緊急時に使用するものであることを理解しておきましょう。
不妊手術
不妊手術とは、男性または女性が受ける手術によって生殖能力を持った状態で妊娠しないようにする方法です。
女性は経腹的結紮術、男性は精管結紮手術(パイプカット)が一般的です。
- 高い避妊効果
- 一度の手術で永久的な避妊が可能
- 手術に伴うリスク(感染や出血など)
- 不妊手術の解除が困難
不妊手術を受ける際は、将来の子どもの希望や家族計画を十分に検討してから決定することが重要となります。
殺精子剤
殺精子剤とは、精子の活動を阻止し、受精を困難にする避妊法です。
主にゼリーやクリーム、スプレータイプがあり、性行為(セックス)前に使用します。
また、コンドームと併用されることが多いです。
- 操作が容易
- コンドーム使用時の避妊効果向上
- 単独使用時の避妊効果が低い
- アレルギーやかぶれのリスク
殺精子剤は他の避妊法と併用することで、避妊効果が高まるということを覚えておきましょう。
ペッサリー
ペッサリーとは、女性の避妊法の一つで、子宮口に挿入される医療器具です。
ペッサリーを装着することで、精子が子宮に侵入するのを阻止することが出来ます。
セックスの前に殺精子剤を塗ったペッサリーを装着し、射精後8時間たってから外すことで避妊効果があります。
- 副作用が少ない
- コストが低い
- 医師の処方箋が不要
- 繰り返し使用可能
- 装着が困難
- 性感染症の予防効果がない
ペッサリーを使用する時は、性感染症の予防するためにもコンドームとの併用をおすすめします。
膣外射精
膣外射精とは、男性が射精する際に膣内ではなく、膣外に精子を放出する方法です。
避妊効果があるとされる理由は、精子が膣内に入らないため、受精卵ができにくくなるためです。
- 特別な器具や薬が不要
- 男性がコントロールできる
- 避妊効果が不安定
- 射精のタイミングを誤ると失敗する可能性が高い
- 性感染症のリスクがある
膣外射精は、妊娠のリスクが非常に高いです。
膣外で射精したとしても、妊娠するリスクがあることを覚えておきましょう。
基礎体温法
基礎体温法とは、女性の体温の変化を利用した避妊法です。
体温の変化から排卵日や不妊期を特定することで、妊娠の可能性を減らすことが期待できます。
具体的には、毎日の体温を測定し、黄体期に入っているかどうかを確認します。
- 薬や器具を使わない
- 副作用のリスクがない
- 体調管理に役立つ
- 毎日体温を測定する必要がある
- 効果が不確か
- 周期が不安定な場合は適応できない
継続した記録が必要で手間がかり、個人差によってずれが生じるため確実性はありません。
医療機関で受ける避妊法
医療機関で受ける避妊法には、IUD(子宮内避妊器具)や経口避妊薬などがあります。
IUDは子宮内に装着することで、受精卵の着床を防ぎ避妊効果を発揮します。
経口避妊薬は、医師の処方により使用することが可能で、服用方法や適切な用量などの指導が受けられます。
医療機関で受ける避妊法を選ぶ際には、診療内容や費用、適応条件などを総合的に判断することが重要です。
また、医師との相談を通じて自分に適した避妊法を見つけることが大切です。
産婦人科での避妊相談
産婦人科で避妊相談を行う際、まず初めに行うべきは医師への相談です。
その際に、自分に合った避妊法が何か、尋ねてみましょう。
避妊法には、ピルをはじめとしたホルモン製剤、IUDやIUSなどの器具、コンドームなど様々な種類があります。
医師と相談し、適切な避妊法を選ぶことが重要です。
また、処方箋を受ける前に必要な検査があります。
例えば、経口避妊薬を処方してもらう場合、基礎体温や月経周期、病歴などを確認することが一般的です。
さらに、感染症の検査を行う場合もあります。
適切な避妊法を選ぶためにも、医師との十分な相談が大切です。
男性向け避妊法
男性も避妊に責任を持つことが重要です。
避妊法として一般的なものはコンドームです。
他にも、男性向けの避妊法には、精管結紮手術(パイプカット)や炎症抑制剤を使った方法などがあります。
医療機関で相談する際には、どの避妊法が適切か、またそのリスクや効果について知ることが必要です。
避妊手術を受ける場合は、失敗時の対処法やその確率、後悔しないかどうかなど、医師としっかりと話し合って決定しましょう。
また、避妊法を選ぶ際には、パートナーとの相談も重要です。
二人で協力して避妊に取り組むことが望ましいです。
避妊法の選び方
避妊法を選ぶ際、考慮すべき要素はいくつかあります。
まず、避妊の効果や安全性、利便性を重視するかどうかを考えましょう。
また、避妊法によっては個人差が大きく影響するので、実際に試してみることが重要です。
避妊法の継続使用が難しい場合や、避妊失敗のリスクが高い場合は、緊急避妊法を検討することが必要です。
医療機関での相談を通して、自分に適した避妊法を見つけましょう。
10代~20代前半の若い世代の場合
若い世代の場合、性行為(セックス)の経験が少ないため、適切な避妊法を知ることが特に重要です。
コンドームや経口避妊薬は若い世代でも容易に手に入りますが、使用方法や副作用に注意が必要です。
また、知識不足から適切な避妊法を選べないことがあるため、医療機関での相談を積極的に利用しましょう。
性教育を受けたり、信頼できる情報源から避妊に関する知識を得ることで、適切な避妊法を選ぶことが可能になります。
20代後半以降の場合
20代後半以降の女性におすすめの避妊法は、子宮内避妊器具(IUD)や経口避妊薬(ピル)です。
IUDは、子宮に直接装着される医療器具で、妊娠を防ぐ効果があります。
使用方法が簡単で、一度装着すれば長期間にわたり避妊効果が持続するため、忙しい女性にも便利です。
また、ピルは毎日決まった時間に服用することで、排卵を抑制し妊娠を防ぐ効果があります。
月経痛や月経不順の改善も期待できるため、女性の健康にもメリットがあります。
ただし、いずれの方法も性感染症の予防効果はないため、コンドームの併用が必要です。
セックスパートナーとの避妊法の相性
避妊法を選ぶ際には、セックスパートナーとの相性も考慮することが重要です。
避妊法には、コンドーム、ピル、子宮内避妊器具(IUD)など様々な種類がありますが、相性の良い避妊法を選ぶことで、より安全かつ快適な性生活を送ることが出来ます。
また、妊娠を望まない場合は、必ず避妊することが大切です。
お互いに話し合い、2人とも妊娠を希望する場合のみ避妊しないという選択肢を取ることが出来ます。
したがって、セックスをする際は、しっかりとパートナーとの話し合ってから楽しむようにしましょう。
避妊具の中には性感染症の予防に役立つ避妊具も存在するため、単に避妊のためだけに役立つとは限りません。
様々な避妊法を知り、状況に応じた適切な避妊手段を選択できるようにしておくことが大切です。
まとめ
最適な避妊法を選ぶためには、自分自身の生活スタイルや体調、セックスパートナーとの相性を考慮することが大切です。
また、避妊法について十分に理解し、正しい使用方法を守ることも重要です。
注意点としては、避妊法によって性感染症の予防効果の有無が異なります。
そのため、必要に応じて複数の避妊法を併用することで性感染症を予防することが出来ます。
もし避妊に関する悩みや不安がある場合は、専門医に相談しましょう。
状況に応じた適切なアドバイスや知識を提供してくれます。
そして、妊娠を希望しない場合は、必ず避妊することを忘れないようにしましょう。